周年基礎知識

周年担当者になったらまず最初に知っておきたい9つのポイント

Question 1

Q.企業にとって周年事業とは?

A.組織に新しい「変化」を起こす絶好の機会であり、
最大限活用すべき貴重な機会です。
その変化を起こすための手段が、周年事業です。

■かつての周年

社員や取引先に感謝を表し、併せて会社のビジョンや未来像を披露するコミュニケーションイベント

内容: 「式典」がメイン。
(記念品配布、講演会・懇親パーティなど)
期間: 1日あるいは1週間程度

■今求められる周年

次のステージへの変化を巻き起こす重要な節目、新たなイノベーションを生み出すきっかけ

内容: 周年の節目を機に新しい「変化」を呼び起こす継続的な活動全体
期間: 1年から数年に及ぶものも。

具体的には、下記のようなさまざまな目的をもって社内外に
変化を起こす絶好の機会として重要視されています。

  • 社員に組織としての一体感を持ってもらいたい
  • お客さまや取引先に新しいブランドを打ち出したい
  • 社員に企業理念と行動指針を再認識してもらいたい
  • 企業ブランドを再構築し、新しいイメージ作りをしたい
  • 新しいビジョンや経営計画を浸透させたい

Question 2

Q.なぜ周年事業が絶好の機会なのか?

A.周年をきっかけとして新しい変化を起こすと、
社内外の納得を得やすいだけでなく、プロモーションも
しやすいためです。

■普段

■周年

「別に周年に限らず日常の中で変化を起こしていっても良いのではないか」とお考えになる方もいるかもしれません。しかし、ある日突然新しいことを始めたり従来のスタイルを変化させると、社内外からの納得感を得にくく反発を産みやすくなります。周年をきっかけ・理由とすることで、納得感を得やすく、普段なかなか手をつけられないことに対してメスを入れていきやすくなります。加えて「周年」は社内外の注目度が高いためプロモーションしやすくなります。

Question 3

Q.周年事業とはそもそもいつの期間を指しますか?

A.一般的には創業記念日や設立記念日から1年間、
または記念日を迎える年度を周年として考える企業が多いです。

創業記念と設立記念ではどちらを選べばよいかというと分社独立、事業開始など、企業の背景によってさまざまです。前回の周年がどちらで行われたのかを確認しましょう。ちなみに創業記念日、設立記念日の両方で周年事業を展開する企業もあります。

Question 4

Q.周年事業プロジェクトはいつから始めるものですか?

A.2~3年前からスタートすることが一般的ですが、中には数年以上かける企業もあります。
プロジェクトメンバーは、経営層または人事部による任命が多い傾向にあります。

Question 5

Q.周年事業の進め方や流れを教えて欲しいのですか?

A.企業によって内容も進め方も千差万別ですが、大まかに下記の3つのフェーズがあります。

準備(1〜3年前)

  • 周年目的・方針の決定
  • 予算の決定
  • 体制の決定
  • コンセプトの決定
  • 各企画を立案、決定、構築
  • 実行委員の巻込み

実行(1年前から当日)

  • 各企画の実施
  • 社員の巻き込み
  • 社員の巻き込み

アフター(周年後〜)

  • 成果の持続
  • さらなる発展のための施策実施

「準備フェーズ」でいかに手を打っておくかが、その後の周年をスムーズに運営し成果をあげるためには、非常に重要です。

Question 6

Q.周年事業の担当者としてまずは何から手をつければ良いのでしょうか?

A.まずは周年事業全体としての目的を定めましょう。
実施施策のみを提案しても、経営陣を納得させる説明ができず稟議も通りません。

「何をやるか」という実施施策に目を向けがちですが、まずは周年事業全体の目的を定めましょう。
目的がなければ、経営陣を納得させる説明ができないばかりでなく、例え稟議が通ったとしても進行中に方向性がぶれやすく、成果が上がりにくくなります。

Question 7

Q.周年事業の目的はどうやって決めたら良いんでしょうか?

A.自社にとってどんな変化が必要か下記のアプローチでトップに確認したり事業部内で整理してみましょう。

目的の整理1

自社にとってあるべき未来のために『誰が』『どのように』変化することが望ましいか整理してみる。

<例>
・「社員」が「一体感をもつ」
・「社員」が「企業理念と行動指針を再認識する」
・「社内外のステークホルダー」に「新しいブランドイメージが浸透する」

目的の整理2

周年の目的設定に関してトップに「想い」や「周年の捉え方」、
「周年後の経営ビジョン」を尋ねて周年方針のヒントとする

周年に合わせ、何を実施するか、何を目的とするかを決める場合、多くの企業では最初に経営層の意見を尊重しています。経営層の考えをいかに早くキャッチアップするかは、 周年準備を円滑に行っていく上で非常に重要です。

Question 8

Q.経営層にはどうやって周年のアプローチをすればいいの?

A.経営層のタイプ別にアプローチのポイントと押さえておくと良いヒアリング項目や手法を紹介します。

トップダウン型

明確な方針を示されている場合は、ある意味わかりやすいパターン。方針が出ていてもそのまま企画してしまうと高確率でやり直しに。トップの認識とズレなく進められるかがカギ。

アプローチのポイント

まずは、指示の背景を深くヒアリングしましょう。深くヒアリングすることでゴールイメージのズレを防ぐとともに、施策の幅を広げることができます。
稟議のために「Aのためには、Bという体制が必要で、CとDという施策が効果的で、そのためには○○円の予算が必要です」というロジックを構築しましょう。

先輩担当者の声

製薬会社
周年担当者

担当役員から、指示の背景をキャッチアップ

社長からの勅命を受けた担当役員のもとプロジェクトを発足しました。
大事なタイミングでは必ず、担当役員へのヒアリング・確認を行きましたね。当初は担当役員の企画イメージと実行委員からの企画案がズレることもありましたけど、指示の背景をよく訊いていくことで、徐々にズレをなくしていきました。

トップと認識の
ズレを起こさない!
深掘りヒアリング項目

  • 周年のメインターゲットは誰か?
  • メインターゲットのあるべき姿は?
  • なぜそのメインターゲットなのか?
  • 体制・手法はどうしたら良いか?

すべてお任せ型

全てを一任するパターン。
任されているとはいっても、稟議や途中報告を怠ると、どんな横槍が飛んでくるかわかりませんので、注意が必要です。

アプローチのポイント

早い段階で、「まずは経営層のヒアリングを行います」と伝えてアプローチしましょう。
早期にヒアリングを行うことで、周年事業を自由に設計し、体制・予算についてもすり合わせておくことで、どこまでのことができるかを見極められます。

先輩担当者の声

工具メーカー
周年担当者

周年が近づかないと、経営層は考えない!!

前回の周年時、創業記念日の3ヶ月前にいきなり周年記念事業をやるようにと言われて右往左往。
反省をいかして、今回は周年3年前から社長へ社内報の取材を通じて、周年に向けたヒントを聞いた。

トップと認識の
ズレを起こさない!
深掘りヒアリング項目

  • 「新年挨拶」取材時に…
    新年の目標、中長期的なビジョンの取材時に、「きたるべき○○年後の周年を企業としてどうとらえるのか?」「記念行事の予定はあるのか」をヒアリングしてみましょう。
  • 「中計経営方針特集」取材時に…
    「未来像や新戦略に必要となるものは?」「周年に期待したい社員のマインドと行動の変化は何か?」をヒアリングしてみましょう。
  • 「事業部長の履歴書」役員の経歴紹介企画で…
    役員の経歴を紐解くことで、社史・歴史素材を集めつつ役員の経営観をヒアリングしてみましょう。

一度、考えなさい型

長い時間がかかるパターンだが、役員も担当者に期待しており、真剣にチェックする可能性が高い。

アプローチのポイント

他社事例を集めて、ターゲット別の周年の目的案を出したり、複数コンセプトを用意しましょう。初回の提案では選択できるような幅広さが大切です。他社事例を紹介することで、具体的なイメージを持ってもらいやすくなります。

先輩担当者の声

周年が近づかないと、経営層は考えない!!

前回の周年時、創業記念日の3ヶ月前にいきなり周年記念事業をやるようにと言われて右往左往。
反省をいかして、今回は周年3年前から社長へ社内報の取材を通じて、周年に向けたヒントを聞いた。

使える!「社内報」を
利用したヒアリング

  • 「新年挨拶」取材時に…
    新年の目標、中長期的なビジョンの取材時に、「きたるべき○○年後の周年を企業としてどうとらえるのか?」「記念行事の予定はあるのか」をヒアリングしてみましょう。
  • 「中計経営方針特集」取材時に…
    「未来像や新戦略に必要となるものは?」「周年に期待したい社員のマインドと行動の変化は何か?」をヒアリングしてみましょう。
  • 「事業部長の履歴書」役員の経歴紹介企画で…
    役員の経歴を紐解くことで、社史・歴史素材を集めつつ役員の経営観をヒアリングしてみましょう。

Question 9

Q.周年事業の方針を聞いた後はどうすればいいの?

A.周年方針ヒアリング後の大まかな流れをご紹介します。また、決定事項がひっくり返ったり、逆流したりしないための確認事項も押さえておきましょう。

1つ目の「周年方針ヒアリング」これはどんなタイプの周年事業でも、必ず適応しましょう。これをきちんと握っておくことで、ひっくり返ったり後戻りしたりすることを防ぐことができます。

周年の体制の整え方とは?

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