周年事業の目玉ともいえる社史ですが「編纂して終わり」では意味がありません。会社から配布された社史は社員が日常業務で活用して初めてその真価を発揮します。
「読まれ、使ってもらえる社史」にするため、周年事業における社史の編纂では以下の7つの原則を押さえましょう。
例えば「華やかな業績を残したOB・OGの足跡」を辿る企画は、それだけでは現役社員の興味を引くものになりません。ただし記事の内容に「今の自分と同じようにつまずいたり悩んだりしていた」「今も売れ続けている製品のアイデアは、身近な気付きから生まれた」といった共感を盛り込むことができれば、それは現役社員にとって自分事となり、壁を乗り越える際の拠りどころにもなりえるのです。
自社の社員教育に用いる、広報に使う、資料として後世に残すなど、社史の読まれ方、使われ方はさまざまです。書架の飾りになるだけの社史にしないために、まずは「誰に配布し」「どこに置かれ」「どんな場面で読まれたいのか」を考えましょう。そこから判型、ページ数、表紙デザインなど、自社にふさわしい社史の体裁が見えてくるのです。
社員にとって身近な人物や場所に関する話題、社内の事物の意外な由来など、思わず手にとりたくなるようなコンテンツを3点以上用意しましょう。自分の会社に関係する話題だけに、週刊誌以上に興味をそそり、「ぜひ読みたい」と思ってもらえる社史になります。
社史を開いた時、ページの端から端までびっしりと文字で埋まっていたら、興味のある記事であっても読む気を失ってしまいます。文章だけのページは作らず、写真やイラストを多用したビジュアルなレイアウト(ページデザイン)で「社員が読みやすい」社史にしましょう。
社史を飾るビジュアル素材には、社員旅行の記念写真、サークル活動の集合写真、勤務中の様子を撮影したスナップ写真の他、各種グラフ、イラスト、漫画などさまざまなものがあります。社史編纂においてはこれらを有効に使い、インパクトのあるレイアウトにしましょう。ページを開いた途端に読みたくなる社史を目指します。
本の装丁や厚み、重さなどの感覚は、実際に手に取ってみないと分かりません。「社史を開いた時、レイアウトや記事はどう見えるか」といった観点でも質感は重要な要素です。記事の中身はダミーでかまいません。社史発行前に試作品を制作し、編集部員全員で確認しましょう。一般の社員にモニターを依頼し、意見を聞くことも大切です。
社史では基本的に、見開き(2ページ)、4ページ、6ページなど、偶数ページで1つの記事を構成します。偶数・奇数ページが混在すると、読みたい記事の始まりと終わりが分かりにくいからです。また、1つの記事は最大で6ページとするのが原則です。それ以上のページ数があると、読みたいという気持ちが失われてしまいます。
<まとめ>
周年事業でつくる社史は、内容、紙面構成、ページ構成に配慮して編集することが大切です。
詳細は「社史の教科書」というサイトを参考にしていただくこともできます。
<社史の教科書のリンクを貼る>
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もっと会社を好きになる 日本クロージャーの75周年史制作 |
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つなぐ―東洋メビウス株式会社― 3社合併で目指した新しい物流会社の姿 |