社内報活用のメリットは、既存の体制と予算の範囲内で企画を展開できることです。社員にとってはなじみ深い情報媒体であるため、違和感がなく、周年事業の意義が伝わりやすい訴求度の高い企画展開ができます。また、企画の内容によっては、周年事業に親近感を持たせる効果も期待できます。
社内報を活用した周年事業企画を展開するタイミングはケース・バイ・ケースですが、一般的には「周年事業イヤーの半年前から展開する」「周年事業イヤーの1年間を通じて展開する」「周年事業記念イベントを開催する直前の号限定で展開する」ことが多いようです。
また掲載の仕方もさまざまですが、主に次の3つのパターンが考えられます。
A.「周年事業特集」として年間通して展開するパターン
B.「周年関連情報掲載枠」を設けて周年事業に関する情報を掲載するパターン
C.回数限定の「周年事業特別企画」を掲載するパターン
周年事業企画を社内報で展開し、好評を博した事例を見ていきましょう。
A社は年4回発行している社内報に周年事業特集ページを設け、周年事業のコンセプト「温故知新」を4つの側面から解説。「周年事業の意義がよく分かった」と多くの社員から好評を博しました。
春号特集「創業ストーリーを知りDNAを再認識する」
夏号特集「外部ステークホルダーに、これまでの感謝やこれからの期待を伺う」
秋号特集「今を知る。自社の魅力を大解剖」
冬号特集「社長と若手社員の未来座談会」
B社は年4回発行している社内報に周年関連情報掲載枠を新設し、次の4記事を掲載。多彩な角度から周年事業の意義を伝え、社内報で最もよく読まれるページになりました。
春号「源流をたずねる」……現在につながる自社歴史のエピソードを1話完結で連載
夏号「周年ニュース」……周年事業に関する進捗情報やトピックスを連載
秋号「我が人生」……役員に過去のターニングポイントとそこから学んだことをインタビューした記事を連載
春―冬号「周年事業特別表紙」……創業80周年にちなんで「8」を連想させる日常風景を撮影した写真を募集。優秀作品を表紙に掲載した
C社は周年事業特別企画として、自社にまつわる心温まる思い出をつづった作文を社内募集。「私のちょっといい話」と題して掲載した。身近な話題とあって社内報の人気ページになりました。
社内報で周年事業企画をスムーズに展開するには、周年事業実行委員会と社内報編集部との綿密な連携が大切です。周年事業の目的や企画方針の共有を図り、周年事業の各種企画と齟齬のない展開を実現しましょう。
社内報担当者にとっては、通常とは異なる企画の編集にプレッシャーを感じる場合もあるでしょう。しかし周年事業の社内報企画展開を通じて学べることは多く、「やってよかった」という声も少なくありません。
<まとめ>
以上のように、社内報活用のタイミングやスタイル、誌面での展開方法はさまざまです。自社の周年事業の方針や企画内容に合わせ、社内報担当者と綿密な相談を重ねて、最も適した方法を決定してください。
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