周年基礎知識

実りある反省会にするには

 

周年事業反省会の目的と開催のタイミング

周年事業反省会の目的は、準備から実行まで周年事業全体において「良かった点」と「問題点」を洗い出し、その原因を明らかにすることです。それらを文書として記録し、次の周年事業に生かしていきます。

周年事業反省会の開催は、周年事業の評価・分析を終え、施策に関する諸課題がクリアになった時点で行います。周年事業推進のコアとなった事務局メンバーと実行委員会メンバーが一堂に会すのがベターでしょう。

 

 

実りある周年事業反省会にするポイント

反省会は、周年事業の評価・分析結果を踏まえ、周年事業における活動の成果と問題点の洗い出し、改善策の検討などを次の周年事業に生かすために行います。

反省会の形態には、「ブレインストーミング」や「自由回答アンケート」、ホワイトボードに各人の意見を記した付箋を貼り付ける「意見分類」などがあります。どの形態で行った場合も、和気あいあいと進行できれば問題はありません。

ところが、周年事業の推進過程で失敗があったり、実行委員同士で意見の相違や確執があったりした場合もあります。周年事業期間中は各自胸の奥にしまい込んでいた不満が、一気に爆発するのが反省会の席。かくして反省会が「批判会」となってしまうことが多いのです。

反省会を批判会にしないために、反省会は「KPT」形態で進めるとよいでしょう。KPTとは「Keep=継続すべき良かった点」「Problem=問題点」「Try=問題の改善策」の頭文字をつなげた略語です。
他の形態と比べ、KPTでは比較的短時間で問題点が浮かび上がり、議論の内容も早期に改善策の検討へと移行できます。つまりKPTのメリットは、改善策の検討にたっぷりと時間をかけられることといえるでしょう。

KPTでは「改善策の検討」という建設的な議論に集中するので、「批判会」になる可能性はほとんどありません。
加えてKPTには準周年事業のPDCAサイクルを回す副次的なメリットもあります。

 

 

周年事業反省会の記録を取締役会に提出する

反省会の記録は、関係者全員が閲覧し、内容ついて合意した上で、次の周年事業の参考資料として保管しておきます。また、同時に取締役会にも提出するようにしましょう。

経営者は一般に物事を俯瞰的かつ中長期的な視野で判断する能力に優れています。周年事業推進活動について、良かった点、問題点、改善策の順でまとめた記録は、周年事業の成果の評価・分析に関する報告書と並び、次の周年事業をどのように実施すべきかを経営者が判断する指針となります。

特に残業・休日出勤の多さを改善する方策などは、働き方改革の重要なヒントになるでしょう。

また、反省会の記録は、経営者が実行委員会で活躍したメンバーの指導力、集中力、コミュニケーション力(周辺巻き込み力)などを把握するチャンスです。実力のある社員に、より大きな舞台で活躍してほしいと思わない経営者はいないでしょう。
そういう意味で、取締役会に記録を提出することは、実行委員会メンバーのステップアップにつながる可能性もあるのです。

 

<まとめ>
反省会では、周年事業推進で問題となったことが、次回の周年事業で再発することのないよう、具体的な改善に向けた議論を行うことが重要です。

また、初めての周年事業では、どの企業の反省会でも「残業や休日出勤の多さ」が問題点として第一に挙げられるようです。実行委員は通常業務と兼務するのが一般的で、残業や休日出勤をせざるを得ない状況に追い込まれがちです。また、特定のメンバーに大きな負荷がかかるケースも珍しくありません。

周年事業を何度も経験している企業、初めて経験した企業、いずれの場合も、反省会では問題に対する有効な改善策を見つけ出すため自由闊達な意見交換をしてください。それこそが反省会の目的といえるでしょう。

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