周年基礎知識

社内報を社史として活用するコツ

 

周年事業記念社内報に社史を掲載するメリット

周年事業において欠かせない主要企画の1つが「社史」の編纂です。社史といえば単行本の体裁をとるのが通例ですが、近年はこうした固定観念に縛られず、周年事業記念社内報の一部に社史を掲載する企業も増えつつあります。

こうした形態の社史には以下の3つのメリットがあります。

  • 「社史編纂委員会」など、社史発行のための特別プロジェクトを立ち上げたり、特別予算を編成したりする必要がない(経費は通常の社内報発行費用+α程度)
  • 社員が普段から慣れ親しんだ媒体のため、違和感なく読むことができる
  • 「社史」が掲載されたプレミアム感のある社内報として、保存・活用される可能性が高まる

一方で、こうした事例はまだ少なく、参考にできるような社内報の入手が困難であることも事実。そのため、以下のような声も聞かれます。

  • 「社史を単行本ではなく社内報の特別企画で」と言われてが、どんな構成にしたらいいのか分からない
  • 時間や人員、ページ数が限られている社内報編集体制において、社史関連資料をどのように収集・編集したらよいのか分からない

以下、こうした悩みを解決する3つのポイントを紹介します。

 

周年事業記念社内報編集の3つのポイント

どれだけ増ページできるかを真っ先に検討する

周年事業主要企画の1つとして臨時増額された社内報の編集予算を元に、通常号に比べてどのくらいの増ページが可能か検討します。さらに通常号のコンテンツから、当該号限定で削除できるものを割り出します。これで「周年事業記念社内報」の、社史特別企画に充てられるページ数を決定できます。全体では通常号のページ数+αから2倍程度になるのが一般的です。

 

歴史的事実をすべて盛り込もうとしない

自社の歴史の列挙はできるだけ減らし、ターニングポイントとなったエピソードをクローズアップする構成にします。社史としての記録性より、周年事業の目的やコンセプトを重視し、メッセージ性の強い社内報の編集を目指します。これにより、1号限定とはいえ社員の記憶に残る社内報となり、社内報の価値向上にもつながります。

つまり、通常の社史のように、自社の歴史を網羅するのではなく、重要事項をピンポイントで取り上げる視点が重要なのです。

 

社史関連資料は社内報バックナンバーから

単行本形式の社史を編集する場合は、記録性が求められ、過去の自社関連資料を社内外から収集する必要があります。しかし、周年事業記念社内報の社史特別企画において重要なのはメッセージ性です。資料は社内報のバックナンバーから収集すれば十分。従って単行本形式の社史より短期間で発行することができます。

 

スタンダードなコンテンツ要素

周年事業記念社内報には、次のコンテンツを盛り込むことがスタンダードになっています。これらのコンテンツを自社に適した形でアレンジするといいでしょう。

  • 社長メッセージ
  • 周年記念座談会
  • 取引先など親密なステークホルダーからの「お祝いメッセージ」
  • 歴代主力製品開発時のエピソード
  • 歴代主力製品開発時のエピソード
  • 年表

 

<まとめ>
周年事業記念社内報の社史特別企画には「特別な予算編成がいらない」「読まれやすい」といったメリットがある一方、比較的新しい試みであるため前例が見つかりにくいといったデメリットもあります。しかし、ページ数の確保、メッセージ性の強いコンテンツの選択、関連資料のバックナンバーからの情報収集といった方法を取れば、十分に編集することができるでしょう。

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