このページでは、周年事業を成功させるための予算を策定する方法を説明します。
大きな事業となる周年事業では、十分な予算を確保しなければなりません。しかし10年に一度のイベントのため、過去の周年事業で予算を策定した社員がいなくなっているケースが度々発生します。また、周年事業は自由度が高く、施策にもさまざまなものがあります。このため、予算の策定はかなり難しく、経営陣にも予算規模が分からないことがあります。
予算の策定には、準備、予算組み、設計という3つのフェーズがあります。
以下、それぞれを説明していきます。
何もない状態からいきなり予算を策定するのはできません。最初のプロセスは、予算を組むための準備を行うことです。過去の周年事業の予算を他社の事例を含めて調査した後、実際の予算規模をトップに近い人に尋ねましょう。
前回、つまり10年前の周年事業の予算を調べます。社内の過去の資料に当たることで、当時の担当者や予算が判明します。当時の担当者が分かったら、実際に話を聞きに行って予算策定時の注意点や、進め方のポイントなどを教えてもらいましょう。
当時の担当者が見つからない場合は、前々回の担当者や資料に当たることも検討します。
ご自身のネットワークや、制作会社との情報交換を通じて、他社も含めた周年事業の予算感覚をつかむことも重要です。人数や事業規模を元におおよその予算をヒアリングしましょう。
周年事業の予算規模を経営層にヒアリングしておくことで、策定した予算が経営層の予想から大きく隔たることを防ぐことができます。ただしヒアリングする際には、過去の周年事業や他社の事例から予算策定の参考になる数字を拾っておく必要があります。まずは過去の周年事業の予算と他社の事例を調査することから始めましょう。
次は実際に予算を組んでいきます。やるべきことは予算表を作り、一次稟議にかけることです。ここまでを準備段階で行います。
この段階では、周年事業のおおよその方向性が固まり、いくつかの施策も出てきていると考えられます。まずはそれぞれの施策にかかる大まかな費用を入れた予算表を作りましょう。費用の出し方は、それぞれの施策に詳しい外部の業者や、周年事業のコンサルティングを行っている業者などに尋ねましょう。
このとき重要なのが、「施策にかかる費用は実際より大きめに算出すること」「現段階で出ているすべての施策にかかる費用を算出すること」の2点です。長いスパンでの事業では、後から「やはりこの施策も実施したい」といったことが発生する可能性があります。これを実現するための十分な予算を取っておく必要があるのです。
完成した予算表を稟議にかけ、議論を行います。これが一次稟議です。すべての施策案を盛り込み、かつ実際より大きめに試算した予算ですから、ここでの議論によってある程度施策が絞られます。このため最初の段階では施策を多めに提案することが重要なのです。
これら段階を経て周年事業の予算の最大枠が決定となります。
準備フェーズでの予算策定はここまでです。
ここからは企画フェーズにおける予算策定です。
企画検討を経て最終的に固まった施策内容で予算を策定し、稟議を通します。
一次稟議での議論で絞られた施策の再検討を行い、最終的な施策を固めます。このとき施策の件数や内容といった細かい要素も変動します。それを踏まえて、それぞれの施策の担当者あるいは外部の業者に見積もりを依頼し、改めて予算表に盛り込んでいきます。
予算表に施策概要を記載した後、二次稟議にかけて改めて承認を得ます。
このステップを踏むことで、イベントの内容についてもチェックが入り、予算に大きなブレが生じることを防ぐことができます。
<まとめ>
予算の策定では、最初の段階では金額を多めにとっておくこと、準備段階と設計段階の2ステップで予算を固めることの2点が重要になります。準備段階では予算の上限を決め、設計段階で内訳を決めていくイメージです。この2ステップを踏まえることで、実際の支出金額が予算と大きなズレてしまったり、特定の施策に関する支出が他の施策の予算を圧迫し、内訳が変わってしまったりするトラブルを防ぎます。
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