周年基礎知識

周年事業の目的と成果――普段は着手できない重要課題に取り組むチャンス

そもそも、なぜ「周年事業」ならできるのか?

 

経営理念浸透、ベクトルの一致、社内一体感醸成、組織間連携強化など企業は組織運営上の様々な課題を抱えています。この課題解決に向け、企業は色々な手立ても講じています。ところが成功例が少ないのが現実です。なぜでしょうか。それは改革にはマンネリ感があったり、PDCAをまわして全社でやりきるのに十分な時間がなかったり、社員が瞬時に納得できるわかりやすい説明ができなかったりするためです。ある日突然、上意下達で改革の指示がだされても、理解・納得して動ける社員はほとんどいません。

 

しかし、周年事業は自社の経営課題解決に着手するきっかけを与えてくれるものであり、「会社を変える絶好のチャンス」と言えます。周年事業が会社を変えるチャンスになるのは、次の「6つの明確な理由」があるからです。

 

(1)大義名分があるので、社員も社会も納得しやすい

例えば、販売キャンペーンを行う際には、そのための明確な理由付けが必要です。その根拠が希薄だと社会の理解を得られず、その拡散は限定されてしまいます。

しかし、周年事業には代替性のない大義名分があるので社員・OB・顧客等すべてのステークホルダーの理解と協力を得やすい環境が生まれます。

 

(2)経営者に特別な意識が芽生える

10年に一度しか巡ってこない周年は、経営者に特別な意識が芽生えます。すなわち、○○の歴史を持つ会社の経営を自分が現在担っているとの誇り、現在の経営内容をさらに良くして次のトップへバトンタッチしなければならないとの使命感、○○年の歴史を支えてきてくれた社内外関係者への感謝などです。

この意識が芽生えると、周年と言う特別な機会を活かし、普段はできない経営・事業に関するムーブメントを巻き起こし、経営・事業活動のさらなる発展に結びつく施策を展開しようとの意欲が湧いてきます。当然、そのための予算措置を特別に配慮する気持ちも強まります。

 

(3)歴史を振り返る機会になる

人は誰でも自分が歩んできた歴史を捨てることはできません。折に触れて歴史を確かめ、実感し、自己肯定をします。これは企業でも同じです。周年イヤーとなると、周年事業を実施するか否かは別として、必ずこれまでの自社の歴史を振り返り、周年イヤーを節目として、「これから何をすべきだろうか」に思いを馳せます。

 

(4)10年に一度というレア感

周年事業は10年に一度しか実施できない期間限定の特別事業。普段の事業では経験できないレア感があります。その成功に向けて様々な部門・立場の社員が事業推進に参画するチャンスが生まれ、社内の一体感も高まります。それが社員の意識を変化させます。

 

(5)1年間を通じて施策を展開できる

販売キャンペーンを始めとする通常の施策は、短期間で終了したり、期間が曖昧だったりします。これに対して、周年事業の施策は1年間がまるまる使える上、事前の1年、事後の1年を含めると3年もの長期にわたるので、この間に様々な工夫を加えることも可能になり、それだけ費用対効果の高い施策を展開できます。このプロセスを通じ、施策に対する社員のモチベーションも高まります。

 

(6)なんだかワクワクする

人は誰でも自分の誕生日が近づくとそわそわし、当日はいつもとは違う一日を過ごすことになります。10年に一度しか巡ってこない周年イヤーは、この誕生日と同じです。周年イヤーが近づくと社員なら誰しもそわそわし、当年はワクワクした気持ちで1年間を過ごすことになります。社内は自ずと盛り上がります。

 

 

最新型周年事業の成果――企業によって様々

周年事業の計画に当たっては、これらのタイプを立体的に組み合わせ、自社オリジナルの周年事業を目指す企業が多いようです。

 

<まとめ>
近年の周年事業は「実施すること」が目的ではなく、「会社を変えること」が目的となっています。このため、周年事業においては成果が重視され、必然的に費用対効果も重視されています。費用対効果の高い周年事業を成功させるためにも「6つの明確な理由」を踏まえた自社オリジナルの周年事業作りが重要といえます。

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