周年事例

JB様記念誌 社内外のつながりを実感し、仕事の意義を考えられる周年記念誌に

(左から)
総務部 澤野様
総務部 松下様
総務部 浪川様
※所属は取材当時のものとなります。
血漿分画製剤を製造している一般社団法人日本血液製剤機構(JB)は2022年で事業開始10周年を迎えました。
周年記念事業として、記念誌、記念品、周年ロゴを制作。それらに携わった事務局の3名に周年事業を振り返って感じている成功のポイントや周年事業に込めた想いを伺いました。

さまざまな意見を集約し、いかにベストな案に絞るかが大切

澤野様:JBは2022年10月1日に事業開始10周年を迎えました。広報として周年事業ができないかを数年前から考えており、2020年にはJBAさんの社史セミナーに参加するなどして情報収集を始めていました。社史は取り扱う情報量が多いため、数年前から制作を開始する会社が多いとセミナーで伺いました。けれど社内では当初、制作に向けて調整が進まず……。心の余裕がなくなっていた時期もありました。

浪川様:私が総務部長として着任した2021年当時は、まだ何も正式に決まっていない状況で、担当の澤野は一体どうしたらいいのかと悩んでいました。
役員の方々や他部署の部長たちに意見を聞くと、イベントや記念品については賛否両論。記念誌については8割方賛成でしたが、内容や期待することは人によって千差万別でした。

澤野様:やはり周年記念誌というと、分厚い社史を思い浮かべる方が多かったです。今の形の記念誌に至ったのは、気楽に読める記念誌を作る会社も多いとJBAさんから教えてもらったからです。今後何かのタイミングで記念誌を作る上でも、選択肢が広がりました。

澤野様:2021年11月に、周年事業で取り組む内容を役員に説明し、コンセンサスを得て、記念誌と記念品を作成することが決まりました。

松下様:社内報では職員全員のアンケート記事を発信するなど、JB全体で一体感を持って10周年を盛り上げることを意識しました。記念品はワーキングメンバーを通じて職員に希望する記念品を調査し、それを基に検討した結果、4種類(タオル、ボールペン、タンブラー、カステラ)の中からそれぞれ1つ選んでもらうことに。記念品の種類がたくさんあることは、希望の聞き取りと、配布作業が大変でしたが、皆さんに喜ばれたことは大きなやりがいでした。

コンセプトをしっかり決め、ぶれのない記念誌の軸

澤野様:記念誌の制作にあたって、まずはコンセプトを決めることに。役員にヒアリングを行った上で、10周年の節目で職員に何を伝えるべきかを考えました。さまざまな意見が出そうなヒアリングを含めた調整を、限られた時間の中で、私たちだけで行うのは難しいと感じていたため、JBAさんにヒアリングをお願いできたことは大変助かりました。JBの事業内容を深く理解した上で、経営陣の想いを掘り下げていただき、未来のために伝えるべきことを考える上で貴重な情報を収集することができました。
また、周年時にすべきことをコンセプトと合わせてご提案いただき、より意義のある周年事業を形にすることができたと感じています。

松下様:コンセプトをしっかり固めたことで、制作中の動きに指針ができました。作っているうちに「これも追加した方がいいんじゃないか」という案が出てくるのですが、コンセプトが判断基準になって、原点からぶれることなく完成することができました。

澤野様:記念誌の内容をどの世代の職員に向けて発信したら良いのか、この点についても悩みました。私としては最初、若手にJBの設立背景をしっかり伝えなくてはと考えていました。今後設立当初を知る職員はどんどん減っていきますので、10周年の節目できちんと伝えなくてはいけないという想いがあったためです。その後、部長とも相談するなかで「世代を超えた職場のコミュニケーションを促進できる媒体にしてはどうか」とアドバイスをもらい、若手だけではなく職員全員に向けた内容にすることに決めました。

人脈拡大や幅広い意見に触れられることが、社史制作の楽しさ

澤野様:記念誌作りが始まってからは、情報収集が一番大変でした。歴史資料を集めるのはもちろんですが、それぞれの案件に関わった人を紹介してもらい、原稿作成のための取材依頼をする必要があります。そうしたところは各部署から代表者を選出し、周年事業のワーキンググループを作り、連携して行いました。

松下様:普段関わることのない方々と「記念誌を作っているので教えて欲しいのですけど……」というところから話が広がったりして、社内で知り合いの方がぐっと増えたことは、今後広報活動をしていく上でも役に立ちます。社内のさまざまな部署の方と知り合えたこともうれしい点です。

澤野様:役員の考えはあまり聞く機会がないので、直接意見を伺うことができたのは役得ですね。座談会の時なども、原稿に載せきれなかった部分も含めて貴重なお話を聞くことができ、JBの歴史をあらためて知る良い機会でした。

澤野様:事務局の編集メンバーはJB設立後に入社したメンバーですので、入社以前のコンテンツについては何を掲載すればいいのか、抜け漏れがないかなどの確認に時間がかかりました。若いメンバーでも理解できる内容かどうかを逐一確認しながら進められたのは良かったです。その点で、編集メンバーは社歴の長い人と若手を上手く交えることが理想だと思いました。

松下様:あとはやはり、もう少し準備期間を取ることが大事ですね(笑)。10年目の事業開始日にはどうしても発行したく、間に合わなかったらどうしようと、心配や不安もありました。

自社の課題に即したこだわりの企画づくりが、良い記念誌につながる

澤野様:いろいろな企画を掲載したなかで特に良かったと思っているのは、JBの製剤を使っている患者さんの声を取り上げられたことです。患者さんが製剤をどのように、どんな想いで使用しているのかを見たり聞いたりする機会はなかなかありません。自分たちが作っている製剤が患者さんの人生にどう役立っているのか、一個人の体験や感想を届けたいという想いで企画に取り組みました。

浪川様:患者さんお一人だけを取り上げることには、偏った内容になる可能性もあることから当初反対の声もありましたが、私たちの仕事の意義を感じるために、患者さんの想いを感じられる言葉が大切な企画だと思いました。内容は期待通りのものとなりましたので掲載することができて良かったです。また、患者さんの声を聞いた職員同士で感想を共有した座談会も良い企画になりましたね。参加した職員の皆さんも日頃お聞きすることができない患者さんの生の声に接することができたことを喜んでおられ、後日お礼のメールをいただきました。

松下様:苦労した分、冊子が完成した時の達成感は大きかったです。普段の社内報とは厚みや質感が全然違いますし、皆さんの心に届く記念誌になったと思います。

浪川様:完成した冊子は、現役の職員以外にも退職されたOBの方々にもお届けしました。OBの方々よりお礼のメールや近況を多数お寄せいただきました。また、現役の周りの部長から「あれ良かったよ」とかなり好評でした。家族に見せて、自分が働いている会社について知ってもらえたのが良かったという声も多かったです。

松下様:職員それぞれの家族にJBの事業を知ってもらうことは、製剤の元になる献血の大切さを広めることにもつながるのかなと感じました。今後は新しく入る職員にも配布する予定です。

浪川様:今回の周年記念誌は、統合新社設立から夢を持って事業に取り組んでいた諸先輩方と、これからのJBを形づくっていく若手の方々に対して、私たちがこれまでに成し得たもの、まだ道半ばのものを記録に残し、次に引き継いでいくための媒体です。10年を迎えたこれからはSDGsやカーボンニュートラルなど、時代の要請に沿った取り組みも行なっていかなくてはなりません。周年事業を次のステップに進むスタートとし、これからの未来を形づくっていきます。

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