周年事例

「100年を、ひっくり返せ。」未来ブックとしての新たな社史制作

株式会社寺岡製作所
人事総務部 総務課 課長
一圓 俊宜様(左)
人事総務部 総務課
木本 隆恵様(右)

(所属はインタビュー当時のもの)

過去ではなく「未来」のための社史をつくりたい

株式会社寺岡製作所(以下、寺岡製作所)は、2021年に創業100周年を迎えました。そこで、100年史を制作するプロジェクトチームを2022年1月に発足。基幹商品である粘着テープの用途の多様化に加え、経営層が刷新されるなど、全社として次の100年をどう歩んでいこうかを決める大切な時期でした。社史のコンセプト設定の段階でも役員から「手放しで100周年を賛美するような社史ではなく、未来に向かってこれから当社は変わるんだという意思を表明するようなものにしたい」と意見がありました。いわゆる一般的な社史以上の社史が求められていたように思います。そこで、今回のプロジェクトでは、ただ過去を振り返るだけでない、これまでの挑戦の歴史をさらなる高みへと飛躍させる「未来ブック」というコンセプトが採用され、社史制作がスタートしました。その結果、「100年を、ひっくり返せ。」という緒言からはじまる、異例の社史を上梓することとなったのです。

未来ブックの表紙

「社員の日常は実はすごいこと」企業活動を言語化することの意義

「未来ブック」というテーマはとても革新的・魅力的であった反面、周りの理解が得られなければ、空中分解してしまうだろうという危機感が制作当初から強くありました。そのため、どのようなコンテンツを作るのか、その目的は何か、そのためには誰にインタビューする必要があるのか等、企画の立案や紙面の構成を徹底的に検証し、これらの作業に、数か月間もの時間をかけました。インタビューの判断軸が明確化され、質問を受ける側の疑問も少なく、同じ社員に複数回取材をする手間を省くことができたと感じています。また、役員の取材手配のスケジュール管理の効率化も心がけました。全体の取材スケジュールをエクセルの表にまとめ、進行を俯瞰できるようにしたほか、アポを取る際には、部長等から指名してもらう事で、選ばれた事を粋に感じてもらえるよう演出するなどのアイデアで、プロジェクト推進の迅速化を図りました。さらに、役員に定期的に進捗報告を行い、レビューをうけることで制作過程を可視化するなど、完成時に成果物とイメージとの間にギャップが生まれないように努めました。この結果、14ヶ月という短い期間で、全社の満足が得られるような社史を作り上げることができたと感じています。今回の社史制作では、誰がキーマンなのかを素早く見極め、そのような会社に対する思いが強い人たちをプロジェクトの仲間に自然に取り込めるような計画を綿密に立案したことで、企画進行をスムーズ化するとともに、納得感のあるコンテンツ制作が可能になったのだと思います。

経営者たちの本音を引き出す「役員座談会」

今回の社史は、これまでの寺岡製作所の企業活動を、とても読み応えのあるように編集していただけたので、社員に限らず、得意先、仕入れ先、株主などのさまざまなステークホルダーの読者の方に、飽きずに読んでいただけるものとなっていると思います。しかし、この社史は、過去の社員や経営層のためでもなく、なにより現役の社員のために作ったものです。各現場で必死に働いている社員のみなさんは、寺岡製作所が普段行っている「すごいこと」に触れる機会が意外と少ない。だからこそ、さまざまな社員へインタビューを行い、言葉足らずな部分を補いながら、伝わる言い方を模索するという社史制作の過程の中で、日々の企業活動を言語化することはとても重要であったと感じています。社会が劇的に変化する中で寺岡製作所も変革を求められていますが、まずは現役社員に今回の100年史を読んでもらうことで、社員にとっては日常であることが、実はすごいことなのだと気づいてもらいたいのです。そして、そのような自社の存在価値や社会への貢献度を再認識する中で、未来の変革へと繋げていってほしいと思います。

「役員座談会」の様子

「社員の日常は実はすごいこと」企業活動を言語化することの意義

今回の社史は、これまでの寺岡製作所の企業活動を、とても読み応えのあるように編集していただけたので、社員に限らず、得意先、仕入れ先、株主などのさまざまなステークホルダーの読者の方に、飽きずに読んでいただけるものとなっていると思います。しかし、この社史は、過去の社員や経営層のためでもなく、なにより現役の社員のために作ったものです。各現場で必死に働いている社員のみなさんは、寺岡製作所が普段行っている「すごいこと」に触れる機会が意外と少ない。だからこそ、さまざまな社員へインタビューを行い、言葉足らずな部分を補いながら、伝わる言い方を模索するという社史制作の過程の中で、日々の企業活動を言語化することはとても重要であったと感じています。

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